【CFO連絡協議会レポート】生成AIの先進的な活用事例を学ぶ。変革につながる組織的な運営体制とは

【CFO連絡協議会レポート】生成AIの先進的な活用事例を学ぶ。変革につながる組織的な運営体制とは

AGSが事務局を務め、財務のプロフェッショナルが参加するCFO連絡協議会。2026年7月23日開催の第129回の定例会では、生成AIの活用をメインテーマに、先進的な取り組みを行っている企業2社から最新事例を共有いただきました。本協議会の強みであるクローズド環境を活かして、採用や労務問題などのリアルな課題を含め、積極的な議論が交わされました。本レポートでは定例会の一部をお伝えいたします。

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開催概要:第129回CFO連絡協議会

日時2026年7月23日(木)
参加人数23名
場所都内某所
内容・生成AI活用

・近況報告

・懇親会

生成AI活用:個人利用から組織実装への挑戦

前半は、前回の定例会で要望があった「コーポレート部門におけるAI活用」をテーマに、講義と質疑応答が行われました。講師役として、株式会社グッドパッチ様と、レイスバックオフィス株式会社様のご担当者計2名が登壇。GeminiやClaudeといった具体的なサービスの活用例に注目が集まりました。

全従業員に利用を義務化。まずは使ってみる

積極的な生成AI活用に取り組んできた両社に共通していたのは、実践的なレベルに引き上げるための方法として、以下のステップを踏んだことでした。

  • 従業員にAIに触れてもらう仕組みづくり
  • 業務改善に向けた組織的な運営体制の構築

導入初期においては、全従業員にAIの利用を1ヵ月間義務付けるなど一定程度の強制力が必要だと語られました。新しい技術への心理的ハードルを下げることで、投資に対するリターンも大きくなります。注意点として、AIが入力データを学習しない法人契約を結んだうえで、機密情報の入力や指定業務以外の利用を制限する社内規定を設けることが挙げられました。

全従業員に利用を義務化。まずは使ってみる

AIに対する理解度や利用のモチベーションは従業員ごとに異なります。導入後の利用状況をフォローして、組織的な活用につなげることが次の段階です。具体例として、AI活用が得意なメンバーで推進室をつくり、現場の日常業務に直結したアプリ開発や勉強会を主導させた事例などが紹介されました。利用推進のポイントとして「役職の高い従業員から導入すると、組織全体への浸透を円滑化できる」との助言がありました。

豊富な事例:問い合わせ対応から契約書チェックまで

講義では、管理部門の実務に深く入り込んだ活用事例が多数共有されました。

  • 既存データから経営会議資料の作成
  • 勤怠システムの代理承認
  • 契約書のリーガルチェックにおける論点整理
  • 法務への問い合わせに対する一次回答

実際にAIが出力した資料や回答がスクリーンに投影され、高い精度で文書を作成するためのプロンプトの考え方が共有されました。質疑応答では、AIの正確性に対する不安の声が寄せられましたが、講師から「大事な資料こそ一次情報のチェックはAIにしてもらっている」との回答がありました。AIのチェックは完璧ではないが、AIが見たものを人間が整理したり、AIにダブルチェックをさせたりすることで、結果的に精度が高まるといいます。従業員一人あたりの具体的な投資金額や、AI活用で浮いたコストを採用や賃上げに充てるといった組織戦略も併せて報告されました。

AI活用に関する事前アンケートからは、投資に対するリターンの不透明さや初動への負担感から、活用をためらう傾向も見られました。ただ今回、実践的な導入事例を聞いたことで、自社での推進にイメージが湧いた参加者も多かったようです。講義の後には盛大な拍手が起こり、参加者の満足度がうかがえました。

近況報告:CFOが直面する経営課題と本音

後半の近況報告では、参加者が現場で直面しているリアルな課題が赤裸々に語られました。

近況報告:CFOが直面する経営課題と本音

責任者クラスの採用難

複数の参加者から、法務や総務部門における責任者クラスの採用が極めて難しくなっているとの実態が語られました。年収で1,000万~2,000万円ほどを提示しないと応募が来なかったり、応募があっても求める専門性が違っていたりするケースがあるといいます。なかには数年間も同じポジションの募集を続けている企業もあり、人材獲得に苦戦する様子が浮き彫りになりました。慢性的な人手不足が続くなか、「ビジネスパートナーや個人的な交友関係などの深いネットワークが打開策につながる」との意見が示されました。

女性活躍推進のリアル

責任者クラスのマネジメントを巡っては、女性活躍推進に関する悩みも打ち明けられました。参加者から「女性従業員に管理職への登用を打診したが断られてしまった」「共働き世帯だと、そもそも管理職への昇進を望んでいない」などの声が上がります。これに対しては「最初のモデルケースを生み出すことが重要」との助言があり、多少挑戦的でも登用することで後が続きやすくなるという知見が共有されました。企業によって取り組み状況に差があることも判明し、先進的な事例に気を引き締めた参加者も見受けられました。

その他にも、CFOが抱える生々しい課題が語られました。テーマの一部をお伝えします。

  • 障害者の法定雇用率を達成したい。生き生きと働いてもらうためのポイントは
  • 未払い残業代について、代理人弁護士とどう交渉するか。和解の適正水準はいくらか
  • フルリモート勤務の従業員と急に連絡が取れなくなった。どう対処したか
  • アクティビストにどう対応したか。大株主と向き合った際の本音
  • ハラスメントを指摘された上司を部署から外した。業務への思いがけない影響とは

CFO連絡協議会には、上場の有無や企業規模を問わず、幅広い業界の参加者が集まります。各参加者が積極的に発言するなかで、さまざまな角度からの助言や新しい視点を得られるのが最大の特徴です。今回も予定時間を超過するほど活発な意見交換となり、定例会後の懇親会ではざっくばらんに語り合いました。

近況報告:CFOが直面する経営課題と本音

次回開催は9月15日(火)。リニューアルも進展中

CFO連絡協議会は、より参加しやすく、より有意義なコミュニティへと変革するためのリニューアルが進展中です。前回の定例会で、多くの参加者から要望があった「本音を話せるクローズド環境」を維持して、成功事例からトラブル対応まで幅広く学べる場として最大限の価値を持たせるように設計します。次回(9月15日)は、食事を交えながらよりフランクにディスカッションできる新たな形式で実施予定です。引き続き、参加者の「知りたい」に応える興味深い内容をお届けしてまいります。

監修者

  • AGSmedia編集部

    株式会社AGSコンサルティング

    AGSmedia編集部

    AGS mediaでは、主にビジネスや税に関する情報、企業経営者との対談など、さまざまなコンテンツを専門家の視点で発信しています。