人材戦略は「経営戦略」そのもの。AGSが説く、脱・条件競争の採用論

人材戦略は「経営戦略」そのもの。AGSが説く、脱・条件競争の採用論

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、企業間の人材獲得競争は激化の一途をたどっています。かつてのように「求人広告を出せば人が来る」「給与を上げれば採用できる」という時代は終わりを告げました。選ばれ、勝ち続ける組織を作るために、経営層はどうあるべきか。AGSコンサルティングでHR部門を統括し、組織・人事戦略の最前線に立つ入沢文紀に、最新の採用戦略と「組織効力感」というキーワードについて聞きました。

 

株式会社AGSコンサルティング 執行役員 マネジメントサービス部門長 兼 HRコンサルティング部門長 入沢 文紀

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面接官の“熱量”が、採用力の差になって表れる

―― 人材不足が叫ばれて久しいですが、企業の採用現場ではどのような変化が起きていますか。

入沢: 以前に比べて、採用における「競争のルール」が根本から変わったと感じています。これまでは求人情報の露出を増やし、給与水準を上げれば、ある程度人は集まりました。しかし今は、候補者側が非常にシビアに会社を選別する時代です。入社後の働き方、福利厚生、成長環境、そして人事制度などを総合的に見極めようとしています。

―― 具体的に、候補者は何を見て入社を決めるのでしょうか。

入沢: 重要なのは「衛生要因(働きやすさ)」と「動機付要因(働きがい)」の両立です。もちろん、給与や待遇といった、働きやすさにおける優位性は大切です。しかし、会社の中核を担うような優秀な人材ほど、それだけでは動きません。「入社後に自分がどう活躍し、どう成長できるのか」「社会にどう貢献できるのか」。そうした働きがいを感じられなければ、仮に入社しても定着せず、すぐに転職してしまいます。採用はあくまで入口に過ぎず、ゴールではありません。

―― その「働きがい」を候補者に伝えるための鍵は何なのでしょうか。

入沢:面接官ですね。結局のところ、候補者は面接で会う「ヒト」を通じて会社を感じ、選びます。今の面接官は、単に制度説明をするだけでは不十分です。自社のパーパス(存在意義)やミッション、ビジョンを、自分の言葉と熱量を持って語れる面接官がいるか。そのような面接官を、会社として育てているかどうか。その「熱伝導」こそが、採用力の差となって表れるのです。

多様化する「仕事観」に合わせた3種のマネジメント

―― 採用した人材に定着してもらい、長く活躍してもらうためのポイントを教えてください。

入沢: 従業員の多様な仕事観を深く理解することです。画一的なマネジメントでは、もはや人は定着しません。私は、組織内の人材を、その活躍意欲や志向性によって大きく「3つの層」に分けて捉えるべきだと分析しています。

―― 3つの層とは、具体的にどのようなものでしょうか。

入沢: まず1つ目は、組織を牽引する「活躍意欲の上位層」です。彼らにとって最も重要なのは「成長欲求の充足」です。組織自体の成熟度や上司の優秀さ、そして自身への挑戦機会の提供が、彼らを惹きつけるポイントになります。
2つ目は「中位層」。ここでは、役割分担の明確さや組織の一体感、そして日常的な承認といった、「コミュニケーションと働きやすさのバランス」が重視されます。
そして3つ目が、定型業務などを支える層です。彼らに対しては、担当業務の明確さや業務の再現性、就労時間といった「環境整備」が求められます。

多様化する「仕事観」に合わせた3種のマネジメント

―― それぞれの層で、求めているものが全く異なるのですね。

入沢: その通りです。企業のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が叫ばれる今、即戦力だけでなく、育成を前提とした採用や、多様な働き方に応じた人材戦略が不可欠です。重要なのは、異なる志向を持つメンバーに対し、それぞれのツボを押さえたマネジメントや仕組みを提供できているかどうかなのです。

「このチームなら勝てる」という組織効力感が競争優位を生む

―― 多様な人材が集まる中で、バラバラになりがちな個を束ね、成果へと導くものは何でしょうか。

入沢: 私がそのキーワードとして挙げているのが「組織効力感」です。これは、「自分たちの組織であれば目標を達成できる、困難を乗り越えられる」とメンバー全員が思える自信のことを指します。

―― 個人の自信(自己効力感)とは違うのですか。

入沢: ええ。個々の自己効力感を高めるだけでは不十分です。これを組織全体の力に変えるには、適切な役割分担と相互依存の設計が必要不可欠です。誰か一人のカリスマに頼るのではなく、多様なメンバーが互いの強みを活かし合い、「このチームなら勝てる」と信じられる状態を作る。それこそが、人材流動性の高い現代において、人材を惹きつけ、つなぎ止める強い求心力となるのです。

―― 最後に、組織づくりに悩む経営層へメッセージをお願いします。

入沢: 選ばれ、定着し、勝てる組織を作る。それは人事部門だけの仕事ではなく、経営トップが取り組むべき最重要課題といえます。「人材戦略は経営戦略そのもの」です。変化の激しい時代だからこそ、組織の足腰を強くすることが、御社の競争優位を生み出します。ぜひ、経営のど真ん中のテーマとして、組織づくりに向き合っていただきたいと思います。

「選ばれる組織」への変革を。AGSが伴走する人材戦略の構築

単純な条件競争の時代は終わり、採用と組織づくりの難易度は、かつてないほど高まっています。インタビューでも語られたように、多様な個の力を最大化し、「組織効力感」を高めるためには、採用から配置、評価、育成に至るまで、一貫性のある戦略設計が求められます。

AGSグループは、採用から定着、制度構築まで、年間130件の人材・組織課題の解決を支援してきた実績をもとに、貴社のフェーズや課題に合わせた最適なHRソリューションを提供します。中核人材が集まり、熱量を持って活躍し、長く働きたいと思える「選ばれ続ける組織」へ。私たちは、経営戦略と連動した実効性の高い人材戦略の構築を、伴走型で支援いたします。

AGSグループの人事組織コンサルティングサービスに関する詳細は、こちらからご覧いただけます。

監修者

  • 入沢 文紀

    株式会社AGSコンサルティング
    執行役員 マネジメントサービス部門長 兼 HRコンサルティング部門長

    入沢 文紀

    2000年の入社以降、税務会計顧問、IPO支援、BC(ビジネスコンサルティング)事業に従事。 その後、名古屋支社副支社長として事業再生支援に携わり、数多くの再生実績を有する。

    2015年からBC事業部の事業部長としてお客様の再成長支援に従事。 2017年よりマネジメントコンサルティング事業を立ち上げ、企業経営は、事業力×組織ヒトの想いのもと、中長期での経営安定のための組織/ヒトづくりに邁進。