IT人材不足で停滞するDXに推進力と実効性を。競争力強化に向けたDX戦略の策定支援

システムコンサルティング事例 | 製造業

事例の概要

株式会社AGSコンサルティング(以下、AGS)は、IT人材が不足する製造業のクライアントに対し、既存のDXビジョンを再整理し、経営層の想いを実現するためのDX戦略策定をご支援しました。手作業による非効率や業務の属人化を解消するため、システム化の優先順位やマイルストーンを明確にした実効性の高いロードマップを作成。経営層が描くビジョンを実務レベルまで具体化し、競争力強化に向けた中長期的な改革を強力に推進する実行基盤の整備に寄与しました。

クライアント情報

業種 製造業
上場市場 非公表
売上高 10億円
従業員数 51~100人
課題 ・ITに精通した人材が不在

・業務が手作業中心で特定の担当者に依存

・既存システムの仕様が不明確

背景: IT人材不足でDXプラットホームの構築が停滞

クライアント企業がDXに取り組む背景は、生産から配送までをシステムでつなぎ効率化することで、現場力と営業力を底上げするだけでなく、顧客利便性の向上という新たな価値を生み出して「競争力を強化する」という狙いがありました。

具体的には、現場の担当者がシステムへの手入力や社内の確認作業から解放され、製造業務や品質改善などにより注力できる環境づくりを進めようとしていました。その上で、社外に対してはオンライン注文や素早い納期回答を実現し、顧客満足度の向上を目指していました。

しかし、DXを自社で主導できるIT人材がいないため、プロジェクトは前に進まない状態でした。

背景: IT人材不足でDXプラットホームの構築が停滞

クライアント企業には社内にITの専門家がおらず、ベンダーとの調整や交渉に不安がありました。そのため、中立的な立場からの助言に定評があるAGSのシステムコンサルティング部門へ相談いただきました。

AGSが課題を整理すると、以下の3点が浮き彫りになりました。

DXビジョンの具体化と実行への懸念

DXビジョンは描かれていたものの、社内にデジタル技術に詳しい人材がいませんでした。何から着手すべきか分からず、システム構築をどう進めればよいか不安を抱えていました。

手作業による非効率と業務の属人化

一連の「受注管理」「購買管理」「生産管理」「品質管理」「出荷管理」といった工程において、手作業とシステムによる管理方法が混在しており、業務効率の低下を招いていました。

特に、配車管理は手作業のみで運用されていたため、工程間の引継ぎや例外対応の判断が特定の担当者に依存していました。その結果、業務の属人化が進行していました。

システムのブラックボックス化

現行システムの仕様や運用ルールをまとめたドキュメントが存在せず、システム全体がブラックボックス化していました。そのため、業務プロセスや処理の流れを十分に把握できません。

非効率の原因の特定が困難な状況となっており、自社内のみで改善施策を立案・推進することが極めて難しい状態に陥っていました。

ご支援の内容:課題解決に向けた3段階のアプローチ

ご支援の内容:課題解決に向けた3段階のアプローチ

現場の実態と経営の理想のギャップを埋めるため、AGSは約6ヵ月間にわたり、3段階のアプローチで伴走しました。

1.事前調査で、現状プロセスと課題の洗い出し

まず、経営層へのヒアリングを通じて、経営ビジョンを確認しました。システム化はあくまで手段であり、目指すべき経営上の目標を明確にする必要があるためです。今回の検討では、まず業務効率化によって現場力と営業力を底上げし、「顧客利便性の向上という新たな価値」を生み出すことを目標に据えました。

次に、現行業務とシステムの実態を調査したところ、さまざまな工程に手作業が残っており、業務効率の低下を招いていることが分かりました。これらの調査結果を踏まえ、現状の業務プロセスと主要課題を整理しました。

2.経営層と一体となって、改善方針を検討

次に、洗い出した課題に対して改善シナリオを検討しました。AGSでは、経営層と一体となって改善のアイデアを練り、クライアントの視点に立ちながら最適な解決策を導き出します。

今回は、まず経営層が描くサプライチェーンの「ありたい姿」を整理したうえで、現場からの要望を踏まえながら検討を進めました。これらのプロセスからシステム構築にかかる費用やスケジュールを算出し、実現可能なシナリオを策定することができました。

3.具体的なステップを定めたロードマップの策定

改善方針の策定後、「どの業務から優先してシステム導入するか」といった具体的な実行計画を策定します。現場の混乱を避けるには、「いつまでに何を達成するか」というマイルストーンを設定し、無理なく確実に取り組む必要があります。そのため、AGSが実効性の高いロードマップを作成して、プロジェクトを力強く推進しました。

支援の成果:DXビジョンを実現可能な戦略に具体化し、意思決定の質を向上

支援の成果:DXビジョンを実現可能な戦略に具体化し、意思決定の質を向上

システム化による新たなビジネスモデルを、実務課題を踏まえた実現可能な将来像として定義しました。具体的には、受注管理から製品の配車までの一連の業務を自動にすることで、業務の効率化を実現しました。また、顧客がオンライン上でいつでも注文できる仕組みを構築するとともに、納期への問い合わせに素早く回答できる体制を整えることで、利便性の向上という新たな価値を生み出し、競争力強化への道筋をつけました。

同時に、目指すべき指標(KGI/KPI)を設定して、システム導入による生産性向上の効果を分かりやすく数値化しました。その数字から「いくらまでなら投資してよいか」という目安を論理的に示したことで、経営陣の納得感が高まり、システム刷新に向けた意思決定のスピードと質を大きく向上させました。

成功要因:現場を熟知した専門家が、ビジョンを実装可能なレベルまで具体化

成功要因:現場を熟知した専門家が、ビジョンを実装可能なレベルまで具体化

今回のプロジェクトが成功した要因は、以下のとおりです。

確固たるDX推進体制の構築

社内にIT人材がいないという課題に対し、DX推進に精通したAGSメンバーが、プロジェクトマネージャーとして参画しました。

単なる助言にとどまらず、会議のファシリテーションから課題の切り分け、意思決定プロセスの明確化まで継続的に検討・実行を進められる体制を整えました。

経営層の想いを実現可能な形へ翻訳

経営層へのヒアリングと、徹底した現場の業務プロセス(As-Is)分析を行いました。経営層が描く将来像(To-Be)を、理想論にとどめるのではなく、実現可能なレベルまで落とし込みました。

「どの業務プロセスを、どのようなシステムで、どう変えるか」という実装・運用を見据えた具体化を通じ、関係者間の認識をそろえたことで、プロジェクトを円滑に進めるための強固な合意形成を生み出しました。

KGI/KPI設定に基づく、客観的な投資対効果(ROI)の算定

DXを進める際、経営層は「このシステムに投資して、本当にそれだけの効果があるのか」を判断します。そこでAGSは、目指すべきKGI・KPIなどの指標を設定して、システム投資に対する効果を客観的に評価する仕組みを構築しました。投資可能額の目安を算定できるようになり、システム化の意思決定の妥当性と納得感を大きく高めました。

担当者コメント「確信できるまで具体化にこだわった」

「経営層が描くシステム化の理想と、現場に根付いた手作業中心の業務実態との間にある大きなギャップに直面しました。社内にIT人材が不足するなか、業務を徹底的に可視化し、現場の皆さんと議論を重ねました。『これなら回る』と確信できるレベルまで将来像の具体化にこだわった結果、単なる構想に留まらず、実務を見据えた合意形成の土台が整いました」

まとめ:DX戦略は企業成長に直結。実績豊富な専門家に相談を

IT人材の不足が社会の大きな課題となるなか、「何から手を付けていいか分からない」「システムを導入したが現場に定着しない」といった悩みを抱える会社は少なくありません。システム化による生産性の向上やデータの利活用は、会社の成長や競争力に直結するため、その対応は急務といえます。

AGSのシステムコンサルティングは、単なるシステムの導入やベンダーとの調整を目的にしたサービスではありません。経営ビジョンと現場の課題を丁寧に結びつけ、最大限の投資対効果が得られる戦略を提案いたします。社内に専門人材がいなくても、経験豊富なコンサルタントが伴走支援いたしますので、DX戦略の策定に課題を感じられている方は、ぜひAGSにご相談ください。