クライアント情報
| 業種 | 小売業 |
|---|---|
| 売上高 | 31億~50億円 |
| 従業員数 | 21~50人 |
| 特徴 | ・日本で手掛けた製品が、海外でも売れる商品力に強み
・在庫情報は拠点によって、Excelや紙などで管理 |
ご支援の背景:オムニチャネル戦略を阻む3つの壁
クライアント企業は、さらなる販売力強化に向け、実店舗やECサイトなどの顧客接点を連動させるオムニチャネル化を目指していました。
AGSとは元々お付き合いがあり、業務に対する理解やこれまでの信頼関係を踏まえ、同じAGSのシステムコンサルティング部門へご相談をいただきました。
クライアント企業の課題を整理すると、以下の3点が挙げられました。
システム化への道筋が不明確
オムニチャネル戦略を掲げていましたが、各拠点で共通に機能する業務モデルやシステム全体像が定義されておらず、実務やシステムへの具体的な落とし込みが不十分でした。
標準化できていない業務プロセス
各拠点でバックエンドシステムや業務プロセスが標準化されていませんでした。その結果、業務効率の悪化や顧客対応のばらつきが生じていました。
全社で一元化できていない在庫管理
在庫情報を一元管理するシステムがなく、各拠点によって独自ツールやExcel、紙など異なる方法で管理していました。そのため、全社横断での在庫の可視化やリアルタイムでの状況把握が困難となり、販売機会の損失が断続的に発生していました。
ご支援の内容:課題解決に向けた3段階のアプローチ

DX戦略を策定するにあたり、 AGSは約3カ月にわたって、課題解決に向けた3段階のアプローチを実践しました。
- 事前調査
- 改善方針の検討
- ロードマップの策定
1.戦略策定に向けた事前調査で、主要課題の洗い出し
まず、改善の方向性を確かなものにするため、経営ビジョンを確認しました。今回のケースでは、「実際の店舗とECサイトを組み合わせて、世界中のお客様に自社の商品を届けたい」というビジョンを語ってもらいました。
2.投資コストを考慮し、改善方針を検討
次に、改善シナリオの検討に入りました。主なシナリオは、以下の3点でした。
- 全拠点でECサイトと基幹システムだけを導入する
- 全拠点でECサイトだけ、または基幹システムだけを一度に導入する
- 先んじて日本だけ基幹システムを導入し、ECサイトを再構築する
シナリオ選定のポイントは、システム化のコストや実装までのスケジュールを総合的に判断することです。今回、部分的であっても速やかにオムニチャネル化を実現したいとの要望があり、スコープを見極めていきました。検討の結果、3番目のシナリオを採用し、日本国内で早期にオムニチャネル化を目指すこととなりました。
現場層への橋渡しをスムーズに行うため、経営層の想いを経営・業務・システムにおける「ありたい姿」として定義しました。
3.現場との意思疎通で、実効性のあるロードマップを策定
改善方針が決まった後は、ロードマップの策定に移りました。これまでの事前調査で浮かび上がった課題を解決して、ありたい姿へと変革するための具体的な工程表が必要です。AGSは現場部門と丁寧にコミュニケーションを重ねながら、実現性の高いロードマップを策定しました。
ご支援の成果:経営層の想いを実現する道筋が明確に

今回のケースでは、各拠点に共通する業務モデルやシステム全体像を「ありたい姿」として定義し、経営層と現場管理層の目指す方向が一致したことで、DX戦略がより強固なものとなりました。経営上の意思決定が現場レベルまで浸透するかどうかは極めて重要です。実効性のあるロードマップの策定により、業務品質と作業効率の向上に向けた施策実行の道筋が明確になりました。
また、一元化できていなかった在庫情報をシステムで共有することで、顧客体験の向上に寄与しました。現在、実店舗では店員がタブレット端末から在庫照会すれば、すぐに商品を手配できます。課題であった在庫欠品による機会損失を最大限防ぐことにつながり、売上高と利益の最大化に貢献しました。
成功要因:システム単体ではなく、経営・業務一体で設計したDX戦略
今回のプロジェクトが成功した主な要因は、以下の2点です。
- 経営と現場の一体化:経営層の想いを、現場層が実行する道筋をつけるため、オムニチャネル戦略を単にスローガンとせず、具体的な業務モデルにまで落とし込みました。
- 在庫情報の一元管理:在庫データを統合し、リアルタイムで全社在庫を把握できる基盤を構築しました。
ECサイト運営や在庫データ管理といったシステム単体の議論に終始せず、経営や業務と一体となったDX戦略の策定が具体的な成果につながりました。
担当者コメント:「経営層と共に議論を重ね、納得感のある意思決定を支援」
「オムニチャネル展開を目指す経営層の想いと、コストや難易度のバランスから、どこまでシステム化するのかというスコープ調整が難しいプロジェクトでした。シナリオ別の投資対効果を経営層の方々と一緒に議論・共有したことでスムーズな意思決定を支援できたと感じています」
DX戦略の策定は専門家に相談を
AGSによるDX戦略の策定支援は、単なるシステムの導入を目的としたものではありません。 AGSの強みである経営コンサルティング力やITシステム、プロジェクト管理のスキル、ノウハウを組み合わせることで、多角的な視点から成長基盤の構築に貢献することを目指しています。
テクノロジーの変化が企業経営に与える影響は加速度的に大きくなっており、DX戦略策定の重要性も増しています。AGSはシステムベンダーとは異なる立ち位置で、経営ビジョンの実現をサポートします。お悩みの皆さまは、ぜひお気軽にご相談ください。