課題/導入のきっかけ
“信頼できる、ともに汗をかいて動くサポート”を求めて

2021年6月の東証マザーズ上場を目指し、同社は2019年3月からAGSのIPOコンサルティングサービスの活用を開始した。IPO準備を本格化する初期段階からAGSのサポートを受けることを判断された理由について、取締役の野口祥吾氏はこのように振り返る。
「株式上場というゴールに向けて、まずは、主幹事証券会社等による上場審査をクリアするための内部管理体制の整備・構築、それを支える社内規則等の作り込みが必要でした。しかし、IPOに関する経験・ノウハウのない中で、これらの整備を自社だけで一から行うのは大変です。AGSさんは、これまでに数多くの企業のIPOを支援された実績があり、IPOを目指す企業が備えるべき水準としての“模範解答”をもっています。また、AGSさんの説明を聞いて、助言だけでなく実務にまでしっかりと踏み込んだサポートをしていただけるように感じたことも、導入を決意した大きな理由でした」(野口氏)
プロジェクトの流れ
組織づくりから始まったIPO支援

非上場企業がIPOを目指し始める段階では、就業規則などの必要最低限の社内規則しか設けていないケースも珍しくない。しかしながら、上場審査をクリアし、上場に至るまでには、経営・組織運営や業務管理全般に関する40から50程度の規程を整えていかなくてはならない。
「規程の導入にあたっては、基本的にAGSさんが、IPOに必要な水準や会社固有の事情を踏まえて文書化し、私たちがそれを実際の運用に落とし込んでいくという形で連携をしていました。AGSさんから、『これはやるべき』『これはやるべきではない』ということを明確に示していただき、上場会社として求められる組織の姿がクリアになったので、私たちはその姿に向かって組織運営に集中することができました」(野口氏)
主幹事証券会社による数百に及ぶ質問への効率的な対応
IPO準備において一つの山場となるのが、主幹事証券会社による審査における質問への対応だ。投げかけられる質問は数百問に及ぶ。この膨大な質問に対して、限られた期間での対応が必要となる。当然、審査結果への影響を考慮すると、回答期限に遅れることは許されない。
「回答の作成にあたって、まずはAGSさんより作成ルールや留意事項の案内があり、手戻りを最小限に抑え、効率的に進めるための交通整理をしていただき、社内の役割分担をしていきました。そのおかげで、短期決戦の限られた時間の中でも、自社で検討が必要なものはきちんと時間をかけて回答を作ることができました。また、回答を考える際に出てくる私たちの疑問の一つひとつに対しても、AGSさんはタイムリーかつ丁寧に向き合ってくれました。回答作成の進捗管理を行ってくれた点も大変助かりました。感覚としては、AGSさんが敷いてくれたレールに乗って我々は全力で走るだけ、という感じでしたね」(野口氏)
IPO達成後も、継続的な支援を
主幹事証券会社による審査、証券取引所の審査を順調にクリアした同社は、晴れて2021年6月30日に東証マザーズへの上場を達成した。9月決算の同社にとって、上場申請期の第3四半期にあたる6月の上場は理想的なスケジュールだ。このIPO達成をもって、同社が受けたIPOコンサルティングサービスは終了したが、その後もAGSによる支援は上場後の体制を支えるサポートとして続いている。
「今回ご担当いただいた、AGSの梅津さん、笹崎さんのサポートが素晴らしかったので、引き続きご支援をいただくことにしました。おかげさまでIPOは無事に達成しましたが、まだ社内の管理業務の一層の向上、見直しなど、サポートが有益な点も少なからずあります。上場会社として業務のレベルを一層引き上げるため、AGSさんには今後も側面から支援していただきたいと思っています」(野口氏)
導入効果
予期せぬ緊急事態にも冷静に対応し、スケジュールの遅延を防止
IPO準備はおおむね2〜3年程度の計画に沿って行われるものだが、時に予定外の事態に直面することもある。同社の場合、上場準備の中盤において、新たに考慮しなければならない事情が加わったこと伴い、当初スケジュール通りの上場を実現するためには、全体スケジュールを1ヶ月前倒しでこなす必要性が生じたという。
「あのときは本当に、『今回は間に合わせるのは厳しいかもしれない』と感じました。私たちだけで対応が完結できるものばかりであれば良かったのですが、他の関係者の協力も得る必要があり、簡単には解決できません。そこで、当社と主幹事証券会社、監査法人、AGSさんの4社を中心に協議・検討を重ねました。AGSさんからの親身になっての、また諦めずに活路を見出そうとする姿勢にも支えられ、なんとか当初計画していたスケジュールに間に合わせることができました」(野口氏)
上場審査を通過し、上場承認がおりた後も、引続き上場日を迎えるまで様々な文書を作成する必要がある。たとえば、投資家の投資判断材料となる「目論見書」や「有価証券届出書」など、複数の文書を引続きタイトな期限で用意しなくてはならない。野口氏は、「上場承認後のスケジュールもタイトでしたが、AGSさんが当社の担当と一緒に手を動かしてくれて、スケジュールを守りながら正確な対応を図ることができました」と振り返った。
上場会社に求められる水準の社内ルールを実装できた
IPOの上場審査にあたって整備する諸規程や内部管理体制などは、審査をクリアすることだけを目的とするものではない。審査通過後、上場会社として会計監査や様々な関連法規制に準拠しながら、より一層適時な対応を求められる中で、社内ルールを適切に運用し続ける必要がある。
「社内の承認プロセスなどをあるべき姿で文書として定めても、実際に現場に落とすと、スムーズに運用することが難しい場合があります。そこでAGSさんには、審査をクリアできるレベルを前提として、社員に浸透しやすいルール作りについて相談しました。おかげで、当時一緒になって作成したルールは、上場後の現在においても運用に活きています」(野口氏)