概要
理美容店舗向け予約管理システム「BeautyMerit」を提供する株式会社サインド。「顧客と時間の価値を最大化」とのプロダクトポリシーのもと開発された同システムは、理美容業界のDXを牽引している。同社が2021年12月の東証マザーズ上場にあたり利用したのが、AGSのIPOコンサルティングだった。
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高橋直也 氏
株式会社サインド
代表取締役副社長 -
佐藤邦彦 氏
株式会社サインド
管理部 財務担当部長 -
鈴木雅代 氏
株式会社サインド
管理部 経営企画担当マネージャー
サインドの課題と、IPOコンサルティングを導入したきっかけ
支援実績の豊富さからAGSに即決
会社の知名度アップや優秀人材の確保を目的に、サインドは2018年末から上場を視野に向けて検討を始めた。その時期、後に主幹事証券会社となる野村證券の主催イベントの場で、偶然にもAGSと最初の接点をもった。
その後、2019年のはじめに監査法人によるショートレビューを受けた同社は、上場準備のために解決すべき課題を把握する。当時のことを、同社代表取締役副社長の高橋直也氏はこのように振り返る。
「正直に言えば、最初は何から手を付ければいいのか分からない状態でした。そのとき、以前お会いしたAGSの廣渡社長のことが頭に浮かび、連絡をしたのです。その後、担当者の方からIPO準備について説明をいただいたところ、とてもわかりやすく、これまでの支援実績も豊富だったことから、支援をお願いすることを決めました」(高橋氏)
サインドIPOに向けたプロジェクトの流れ
将来を見据えた諸規程の整備
サインドがIPO準備を本格化させた2019年7月の段階で、まだIPOのために必要な社内規程の整備がほとんどできていなかったという。そこで、AGSが作成したスケジュールに従って準備を進めることに。IPO準備の実務全般を担当したサインドの鈴木雅代氏は、このように語る。
「会議関係や、総務、情報管理、人事など、幅広い社内規程を作る必要があり、AGSさんからサポートをいただきながら進めました。社内規程は、会社の成長に合わせて変更が必要になりますが、そうした先々の可能性も踏まえて整備していただけたのが、ありがたかったです」(鈴木氏)
合格ラインから逆算した対応
IPO準備のスケジュールは、監査法人や主幹事証券会社の意向に左右されることがある。サインドの場合、J-SOXの整備運用について、一般的なケースよりスケジュールを早めなくてはならなかった。
この状況を受けて、サインドでは経営陣から社内に向けて「必ず上場する」という意識を浸透させ、関係者が一致団結して取り組んだという。当時の状況について、今回のIPO準備にあたり財務経理関係の対応を担った佐藤邦彦氏は話す。
「IPO準備のために行うべきことは膨大にあります。ただ、すべての項目について完璧を目指していたらスケジュールが間に合いません。AGSさんは、多くのIPO支援のご実績から、『ここまでやれば大丈夫』という合格ラインを示してくれたので、効率よく進めることができました」(佐藤氏)
コロナで審査が2か月も前倒しに
IPO審査において大きなウェイトを占めるのが、主幹事証券会社による中間審査への対応だ。サインドはあらかじめ示された中間審査のスケジュールに向けて準備を進めてきたが、これが突如2か月前倒しとなった。これは、コロナウイルス感染症の影響を受けて、主幹事証券による審査期間を長く設けるための措置だった。
「やはり焦りはありましたが、他にも上場申請をしている会社があるなか、我々の審査が前倒しになったので、『いい評価をいただいている』と前向きにとらえました。2020年の11月までに中間審査の準備を終える必要がありましたが、AGSの笹﨑さんに相談しながらなんとか間に合わせることができました」(高橋氏)
「2020年の年末年始は、社内で分担して中間審査における質問回答を作成していました。ですから、うっかり複数のメンバーが同時に笹﨑さんに電話をかけることがあったんです(笑)。それでも笹﨑さんは他社の事例などを踏まえて、すぐに質問の意図や回答例などを教えてくれました」(鈴木氏)
IPOコンサルティングの導入効果
ルール化の徹底で効率良くIPO準備が進んだ
2021年の1月に300問近くの回答書を提出したサインドは、ほぼ指摘事項なく円滑に中間審査を乗り越えた。その後、最終審査や取引所対応を経て、2021年12月22日に、当初の予定どおり東証マザーズへの上場を果たした。
「IPO準備の初期段階で、AGSさんからルール作りのアドバイスをいただいたことが良かったと思います。たとえば、ファイル名のつけかた、フォルダ整理や情報更新ルールといったものです。そういったルールを決めずにいたら、無駄が増えて本来準備にかけるべき時間を奪われていたでしょう。効率よく、かつきちんと考えながら準備を進めたおかげで、中間審査、最終審査ともに大きな指摘事項がありませんでした」(高橋氏)
株式上場後、サインドでは関係者とともに上場記念パーティーを開催した。このときに、MVPの1人に選ばれたのがAGSの笹﨑だった。その理由について高橋氏は、「笹﨑さんがいなければ上場できなかったという思いがあり、満場一致でMVPに選ばせていただきました」と明かした。
上場会社に求められる組織体制を構築できた
IPO達成はひとつのゴールだが、同時に上場会社としてのスタートでもある。2021年12月の上場後、サインドは「インターネットを通じて、心のつながりを提供する」というミッションを実現すべく、成長へ向けて歩みを進めている。
「IPO後は社員が増えていますが、『上場会社としてどうあるべきか』という視点をもって社内のルールを伝えています。IPO準備のときに、AGSの青木さんや笹﨑さんから内部監査や社内規程などの本質的な意味を教わったおかげですね」(鈴木氏)
「これからも、AGSさんにはご支援をいただきたいと考えています。会社の成長のために必要なことは少なくありません。いずれプライム市場への市場変更も視野に入れているため、初期段階からAGSさんにサポートをいただきたいと思っています(高橋氏)
IPOコンサルティング担当者からのメッセージ
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今回は、2021年12月のIPOというゴールから逆算したスケジュールにしたがって、スムーズに準備を進めることができました。これは、サインド様が「自社でやるべきこと」「AGSにおまかせいただくこと」を切り分けて、うまく私たちを活用してくださったおかげです。
AGSでは、IPO支援サービスのほか、M&Aや海外進出など、会社様の成長フェーズに合わせた支援を行っています。今後も、サインド様のさらなる成長のために貢献したいと思っています。 -
株式会社AGSコンサルティング IPO2事業部長/統括責任者
青木 慶介
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株式会社AGSコンサルティング IPO2事業部 マネージャー
笹﨑 将平
お客様プロフィール
株式会社サインド
設立: 2011年10月
事業概要
●理美容店舗向け予約システム「BeautyMerit」の提供資本金 1,197,000,000円