概要
1881年の創業以来、書籍や教科書、辞書などの出版・販売などを手掛けてきた三省堂書店。未来に向けた企業戦略の再構築を図るべく、2020年からAGSのサポートを受けている。税務・会計・財務、さらには事業承継も見据えた同社の取り組みについて聞いた。
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亀井崇雄 氏
株式会社三省堂書店
代表取締役社長 -
家田淳一 氏
株式会社三省堂書店
執行役員
経営本部 副本部長
兼 経理・財務室 室長
背景と課題
大型プロジェクト成功のため、サポートが必要に
本の街として知られる東京都神田神保町で1881年に創業した三省堂書店。これまでの歩みの中で、書店事業に加え幅広い出版活動を手掛け、電子出版事業など、新たな分野へのチャレンジも続けている。
創業140周年を目前に控える2020年、当社で新たに持ち上がったのが、未来を見据えた事業戦略やファイナンスプラン構築のためのプロジェクトだ。プロジェクトの成否が今後の業績に直結するため、AGSのサポートを受けることを決めたと代表取締役社長の亀井氏は振り返る。
「プロジェクトのレベルを考えると、これまでのような個人の会計事務所ではカバーしきれないと考えました。かといって上場企業のように大手監査法人にお願いするのも、弊社のような規模の会社には馴染まない。そうしたときに複数の銀行からAGSさんを紹介されたのです。AGSさんの場合、中小企業から大手企業まで幅広く支援されていますし、専門性と機動性を両立されているので、このプロジェクトのサポートについてスポットでお願いすることにしました。」
執行役員の家田氏は、数ある会計事務所のなかでAGSを選んだ理由について、このように話す。
「スポット契約の中でのやり取りを続けている中、弊社の税務や会計を長年お願いしていた先生が引退を考えていると伝えられ、自然と次にお願いする会計事務所の候補としてAGSさんが検討対象に上がりました。」
プロジェクトの流れ
金融機関の信頼を得て、プロジェクトを前進
三省堂書店のプロジェクトは、財務に関わるものであり、金融機関との関係性が重要なポイントになる。この点についてAGSは、1970年の創業以来培ってきた金融機関との関係性や知見を活かしながら、助言を行っている。
「たとえば資金調達のために金融機関に説明をするとき、『AGSさんからサポートを受けている』と話すだけで安心してもらえます。また、普段から私たちはAGSさんと税務・会計についてお話をしているので、現状の決算数値に基づいて、今後の展開について説得力をもって説明できていると思います」(家田氏)
月1回のミーティングで課題解決に向けた戦略を策定
プロジェクトのサポートと合わせ、同社は税務・会計顧問をAGSに依頼している。AGSの税務・会計顧問の業務は、ほぼ毎月の訪問(リモート対応可)の場で、収益などの状況をタイムリーに計数化して報告するとともに、課題解決に向けたディスカッションを行うというものだ。
「AGSさんにお願いする前の時点で、認識していた社内課題が複数あったのですが、どのように処理をすべきか分からない状態でした。こうした課題について、今はAGSさんにミーティングでご相談し、一つひとつ解決に取り組んでいます」(亀井氏)
経営者の気持ちに寄り添い、事業承継をサポート
2020年11月、それまで同社の社長であった亀井忠雄氏が会長職となり、亀井崇雄氏が社長に就任した。今後、株式の承継が予定されており、相続税をはじめとした問題に備える必要がある。
「以前も事業承継に向けたプランは作っていたのですが、現在の税制には対応しきれていませんでした。そこで、相続税の問題に加え、あまり手間をかけずスムーズに事業承継が進むようにAGSさんにあらためて支援をいただくことになりました。父からうまく経営を引き継ぎ、さらに次世代までバトンタッチできるように取り組みたいと思います」(亀井氏)
AGSでは、年間約200件の事業承継関与実績に基づき、複数の選択肢から、最適なプランを提案している。対策にかけられる時間や、様々なステークホルダーへの影響、さらには事業承継後の経営を安定化させる独自の後継者育成サービスも提供することが可能だ。
導入効果
自社だけでは気づけなかった消費税還付
2020年8月、同社はグループ内の効率的な事業運営体制の構築および出版関連事業のさらなる強化のため、100%出資子会社の吸収合併を行った。この吸収合併の結果、税務上での指摘があったという。
「AGSさんに過去の税務申告書を見ていただいたところ、今回の吸収合併にともなって消費税の還付を受けられることを教えていただきました。私たちだけでは気づきようのなかったことでしたから、非常にありがたかったです」(家田氏)
最新情報をタイムリーに提供し、外部環境変化に対応
昨今の経済環境の変化にともない顕著になっているのが、会計や税の領域における様々な法改正だ。こうした改正が企業経営に与える影響は大きく、最新の情報に基づいた意思決定が求められる。
「税制などの変化に対して、これまでは都度都度の対応になっていたのですが、AGSさんからこまめに情報提供を受けるようになり、問題をあらかじめ検討できるようになりました。ご担当者の方がいつもフレンドリーなので、こちらで気になることが出たらすぐに相談しています」(家田氏)
企業を取り巻く環境は常に変化の中にあり、現代は変化のスピードがますます早くなっている。AGSでは、高度な知識や幅広い経験を有するコンサルタントが多数在籍し、組織として顧客の課題解決をサポートする体制を整えている。
「ご承知のとおり、書店のビジネスは先を見通しづらい外部環境があります。押し寄せる荒波を乗り越えるためにも、今後は新たな事業の柱を作ろうと考えていますが、おそらく想像しないような壁にぶつかることもあるでしょう。そうしたとき、幅広い業種の会社をサポートされているAGSさんにお知恵を借りたいと思います」(亀井氏)
サービス担当者からのメッセージ
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株式会社AGSコンサルティング マネジメントサービス部門長
梅田大作
学生時代からお店でお世話になっていたからでしょうか、当初から親近感を抱きながら会計・税務・経営管理など、多岐にわたり経営層の皆様とお話しさせていただいております。今後の益々のご発展のため、引き続き「信頼できる身近な専門家」としてサポートしてまいります。私共にはさまざまなニーズに対応できる機能がありますので、安心してAGSをご活用ください。
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株式会社AGSコンサルティング MS1事業部 副事業部長
田村雅幸
三省堂書店様では、もともと税務申告や決算などを社内で内製化されていましたが、反面、最新の会計・税務に関する情報が外部から入りにくい状態にあったかと思います。その点を意識して私たちはタイムリーな情報提供を心掛けていますが、会長、社長を始めとする皆様が我々の提案に耳を傾けてくださることに感謝しています。これからもAGSをご活用いただき、会社がますます発展、成長されることを願っております。
お客様プロフィール
株式会社三省堂書店
創業: 1881年4月
事業概要
●【書籍事業】全国21店舗・11営業所で書店を展開。書籍、雑誌、文具、雑貨の販売。
●【雑貨事業】
ことば・ものがたり・文字・活字・紙など「読書好きなお客様が好むもの」、「本棚を感じさせる品物」をキーワードに、雑貨店「神保町いちのいち」で雑貨を販売。
●【電子出版関連事業】
国内最大級の電子書籍ストア「BookLive!」と業務提携し、電子書籍を販売。
●【会員カード事業】
会員サービス「クラブ三省堂」、在庫検索もできるスマホアプリなどのサービスを提供。
●【オンライン通販事業】
書籍やデジタル機器、雑貨、ギフト用書籍などをオンラインで販売。
●【官公庁・法人向けサービス】
各大学・専門学校・高等学校などの教育・研究機関及び官公庁・法人向けの営業セクション。全国各地に営業所・売店を展開。
●【出版事業】
長年にわたり、独自の書籍出版事業を展開。
資本金 45,000,000円