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IPOを目指したいのですが、上場準備は、まず初めに何をするべきでしょうか 。

上場準備について

上場準備について

まず初めにするべきことは、事業計画の作成です。今回は、事業計画作成を起点として上場準備をスタートするための4ステップを説明します。

ステップ1 事業計画を作成する

まず初めに事業計画を作成し、会社の事業がどのように成長していくのか、具体的に可視化します。

事業計画は、利用目的に応じた内容で策定されていることが重要です。主な利用目的は下記表となりますが、上場準備のスタート段階では特に①~④や⑦が必要となります。

No 利用目的 対象者 内容・ポイント 社内外 IPO
経営方針の明確化 自社経営層 自社中長期の収益力、強み・弱み、価値観等を確認 社内 IPOに関連性が高い
経営目標の共有 自社役職員 全社意識の統一、目標達成の管理
上場準備の協力要請 証券会社・監査法人 将来の成長性と計画達成確度を説明 社外
資金調達(株式) VC
上場審査 証券会社・取引所
IR 投資家 投資対象としての魅力を訴求(ex.成長戦略)
資金調達(借入) 銀行 過去~現在の現状分析、利益計画・収支計画が重要
M&A 買収側 IPO以外
企業再生計画 債権者

最初は大まかな成長イメージで構いません。ただし、最低限、売上と利益については、3~5年後までのイメージを持っておくと良いでしょう。

ステップ2 IPOのメリット・デメリットを整理する(”なぜIPOをしたいのか”を明確化する)

【メリット】
① 間接金融から直接金融に移行することができ、多数の投資家から多額の資本を集めることができる
② 会社の知名度・信用力が向上する
③ ②に伴い営業の引き合いが増加する・人材採用がしやすくなる
④ 組織的経営ができるようになる・管理部門が強化される
⑤ 株価が市場価格になり、所有株式を換金しやすくなる

【デメリット】
① 内部管理体制整備・運用コスト(ex. 社会的責任増大による厳粛なコンプライアンス体制、投資家へ会社情報をタイムリーに開示できる体制)
② ①に伴う人材採用・外注コスト
③ 監査法人への監査報酬

ステップ3 IPO計画を作成する

下記をイメージし、上場時期(何年後に上場したいか)を決算期ベースで決定します。
① 事業計画上、多額の資金調達を必要とするのはいつ頃か
② 上場する市場はどこか(ex.プライム市場・・・大企業向け、スタンダード市場・・・中堅企業向け、グロース市場・・・新興企業向け)
③ 市場の数値基準を充足できる収益力になるのはいつ頃か(ex.スタンダード市場は上場申請する前期の経常利益が1億円以上必要)
④ 上場会社として適格な管理体制を整備し一定の運用が完了するのはいつ頃か(ex. 取締役会運営体制、組織体制、労務管理体制、利益計画・予算統制、会計・開示体制、反社会的勢力排除体制、コンプライアンス体制)

ステップ4 外部協力会社を探す

① 主幹事証券会社
上場準備のためのアドバイスを行い、上場時には大半の株式を投資家へ販売します。上場申請時には取引所へ推薦書を提出します。推薦しても問題がないか確認するために上場申請前までに証券審査を行います。
② 監査法人
決算書が正しく作成されているか監査します。上場申請時には、直前々期と直前期の2期間の監査法人による監査証明が必要となります。この証明を受けるためには監査契約が必要となりますが、公認会計士の不足等により新規の監査契約締結までには一定のハードルがあるとされています。
③ その他
株式事務を代行する信託銀行、上場申請書類のチェックを行う印刷会社、資金支援を行うVC・銀行、専門的な相談相手である弁護士・社労士・公認会計士・税理士・IPOコンサルタント等。

※ 事業の成長イメージが曖昧で将来的な収益力を見込めず、上場する可能性が低いと判断されれば、外部の会社へ協力を仰ぐことが難しくなります。それを回避するために上場可能性を論理的に説明するツールとして事業計画があります。

以上、IPOを目指される場合は上記の4ステップで上場準備を始めるのが良いでしょう。
最後に、事業計画のサンプル(定性面、定量面)を紹介します。

定性面の項目例(目次)

No 項目 内容・ポイント
経営理念 会社の普遍的な価値観
経営ビジョン ①を実現するための具体的な目標
外部環境分析 自社を取り巻く環境を把握(ex.政治、経済、顧客、同業他社)
内部環境分析 自社の競争優位性・弱点を把握(ex.収益モデル、技術、ノウハウ)
SWOT分析 ③と④をマトリクスで総合的に分析 ※SWOTは次の頭文字・・・
強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)
経営戦略 ②を実現するため、③~⑤で導かれた具体的な全社方針
事業別戦略 ⑥をさらに事業別に細分化
アクションプラン ⑦を実行するための具体的な事業計画

定量面の項目例(数値計画)

(単位:百万円)

20XX年X月期 20XX年X月期 20XX年X月期(上場期)
金額 構成比 前期比 金額 構成比 前期比 金額 構成比 前期比
売上高 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
売上原価 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
売上総利益 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
販売費・一般管理費 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
営業利益 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
営業外収益 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
営業外費用 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
経常利益 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
特別利益 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
特別損失 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
税引前当期純利益 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
法人税等 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%
当期純利益 XXXX XX% XX% XXXX XX% XX% XXXX XX% XX%

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